「トゥルー・ロマンス」の売春婦は、
「レザボア・ドッグス」のベテラン強盗と過去に組んでいて、
「レザボア・ドッグス」の耳そぎ男は、
「パルプ・フィクション」の殺し屋と兄弟で……
……いや待てよ、ミスターホワイトと組んでいたのはジャッキー・ブラウンじゃなかったか?
もう一回見直すとするか。
ああ、時間がねえ。
とタランティーノ作品の人物相関図を書き連ねようとして、
早々に挫折。
も一回復習だな。
思いながらいつも頭にあるのは
「松本零士と同じなんだな」
ということだ。
ただ、両者の人物相関の在り方は全くの相似ではなく、
松本零士→同じ人間で違う人生を生きるパラレルワールド
タランティーノ→同じ人間が同じ人生を生きる単一の世界
ということだろう。
人は何かを伝えるとき、最小限の言葉でなるべく燃費良く、と考える。
けれど彼らは違う。
どんな些細なことでも伝えたい事がいっぱいあるからこそ、
同じ人物が違う人生を生きたり、同じ人物の様々な局面を描き出す。
「ちびまるこちゃん」みたいなもんか。