30minute

で書く適当

とてもとても

何から書こうか迷ってしまうほどのことはないくらいのことがあった。


人を殺した。


という言い方はあまりにも端的だけど、通勤時にバイクで走っていたら人に飛び込まれ、その方が亡くなったんである。
自分も30メートルほど吹っ飛んで顔面から着地。


相手の方の死を知った時、もはや交通刑務所行きも免れないだろうと思っていたがとりあえず治療に専念。
脳内出血と顔面多発性骨折の治療に一ヶ月を要し、退院したのが去年の5月。


そうして警察や検察に出頭した際、自分に伝えられたのは


「事故現場付近に設置されたレコーダーを検証した結果、あなたに否はない。避けられない事故はある。したがって無罪放免」


ということだった。飛び込み自殺に遭遇した、そういうことらしい。
このとき人を殺めても罪にはならない場合もあることを初めて知った。


けれど。


だけれども。


なぜ人の死に加担しなければならなかったんだろう。
どうして自分だったんだろう?


このループを今もひたすら繰り返している。


「過去を振り返らずに前を見ろ」


ありがたいことにそう言って励ましてくれる家族や友人もいるが、なかなかそんな気持ちになれず、けれど日々を過ごしていくことで少しずつ消化している最中。時が進み、季節の移り変わりを感じながら生きるためのリハビリを続けている。


「なにがあっても強姦と人殺しだけはしてはならない」


自分の中にあった生きていくための柱というか、人としての規則を破ってしまったわけで、破戒を経てまた新しい自分を構築していく様子をゆっくりと眺めている。


ーー厄年だ云々書いていたけれど、やっと事故のことを書いてみる気になった。
ここまで一年。


もう少ししたら自分に区切りはつくんだろうか?


一生背負わなければならないことをやっと書けたこと。
そして本当に書きたいことはもうひとつあり、それはこのエントリを書く背中を押してくれた、ある出会いのこと。


いずれそれも書ける状態になるだろう。


いまはただ、ゆっくりとソファに沈み込んで日々を過ごすだけだ。


ご冥福を祈ります。


そして残されたご遺族の方たちに一日でも早く、幸せな日々が訪れますように。