車も中型も運転免許を持ってたんだけど、
あるアクシデントで取り消しになってしまった。
なら、移動は徒歩プラス電車だね。
と思ってしばらくやってみたんだけど、
これまでバイクで動いていた性分か、どうしても馴染めない。
人が多すぎてイライラする。
ターミナル駅だとホームの移動に手間取り、あげく電車の到着まで待たされる。
おっさんのポマード臭い頭が顔の正面に来る。
スマホいじってる連中が全員指揮者に見えて仕方ない。
化粧を始めるのはいいけれど、手元が揺れるからかゆっくり仕上げていくので
「見世物としての化粧テクニック」を楽しめない。
そもそもバイクで移動してたので、電車や駅の場所に詳しくない。
普段使いのWiMAXが地下鉄に弱い。
等々、電車の移動にあまりグッと来る感じのメリットが感じられず、
近場は自転車で移動することが多くなった。
とりあえず、ということで近所の買い物には
ママチャリに毛が生えたようなギア付き自転車を使っていたけれど、
こいつが先日パンクし、あまつさえタイヤにヒビが入った。
タイヤの寿命が来たらしい。
サイクルショップに持ち込んだところ、タイヤ交換含め修理代しめて一万円也。
それなら新しい自転車を買ったほうが良かろうとネットで調べ、
3万円弱のクロスバイクっつーやつを購入した。新しい相棒。足の延長。
ペダルをグンと踏み込んだ瞬間、世界が変わる。
移動とは言葉のまま、身体が違う空間へ動くことだけれど、
その過程をダイレクトに、素直に感じられる。
陽を受けた肌はジリジリと、汗がじんわり噴き出す。
指先、手のひら、腕から背中、腰から太もも、ふくらはぎを伝い
つま先に最適なペダルの踏み方を実現させるために脳が指示を出し、
そのとおりに身体が反応してチェーンは回り、自転車は身体を乗せて前進する。
バイクのように「風を全身に感じる」楽しみを
たっぷり享受することはできなくなったけれど、
それに代わるものが自転車にはあった。びっくり仰天だ。
ということで、ヤボ用がいくつかあった今日、
初めて「そこそこの距離の移動手段」として自転車を使ってみた。
半日自転車であちこち走る。普段バイクじゃ入れない裏道もイケル。
目的地までほぼ直線で移動できるのは、東京ならではかもしれない。
そしてバイク&車と徒歩の移動速度の中間に位置する自転車の移動速度は、
普段見えないものを目にし、感じさせてくれる。
災い転じて福となすというけれど、自転車も存外に捨てたもんじゃない。
もう少し涼しくなったら、数日かけて自転車で旅をするロングライドに出ようと思う。
自転車ももう少しグレードアップしたものに買い換えて。
まずい。楽しくなってきた。