なんのかんの。
のらりくらり。
だらんぶらん。
ぐーすかぴーすか。
三年前のことを思い出そうとすると、二年前のことを思い出せないことに気付き、ならばと一年前のことを思い出そうとする。
それが半年、三ヶ月、一ヶ月、先週、一昨日、昨日、ついさっきになっていく。
医者に見てもらったわけではないけれど、たぶん痴呆じゃないはずで、はずだ、という断定ともいえないふわふわした感触を脳みそ両手で挟み感じいるばかり。
ついついの与太話を初めて披露するハメに自分で陥り、サゲさえも定かじゃないまま這々の体で逃げて隠れて息を潜めて丸三日。
別に蓋を閉めた訳じゃなかったけれど、及び腰で近寄り覗いてみればアラまあ、わりかし盛況のうちにフェードアウトできそうな予感がひしひしと。
待ちきれなかった幼児はよたよた走り、まるく張った足の裏で芝生を握り締めてコケて泣く。わめきもする。
似たようなテンポで夏本番が近づいてくる。
晴れ渡る空が水色なのはどうしてだろう。
なんてバカなことをウツラウツラ。右耳から左耳へと吹かせてやると、入道雲は名前のまま入道なんだけど、そんなに入道って大きかったのかと過去に名付け広めた人々の想像力に舌を巻きつつソファに伸ばした足を組み替える。
カーテンは、今日もはためく。